ロボとーちゃんはブレードランナーの後継者?
今週のお題「ふつうに良かった映画」
それは「クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」です。
ってこんな一年も前の映画を挙げて大丈夫なのでしょうか・・・。
なにしろはてなブログはじめたばかりなもので、「今週のお題」の要領がよくわからず、ちょっとズレてるかもしれません。そこはご容赦ください・・・。
でも、これをこの前DVDで見たら、ほんとに「ふつうに良かった映画」だったもので。
ネットの感想を見たら、「泣ける」という声が多いですね。
たしかに、泣けました。
でもこの映画、単に泣けるだけの映画ではないのです。
うっかりーまん的には、この作品のすごさは、子供向けアニメでありながら、「本格SF」をやっているとこなのであります。
というのも、ロボとーちゃんで描かれているのは、「ロボットのアイデンティティ問題」なのですよ。
「ロボットのアイデンティティ問題」ってのはつまり、ロボット自身が「自分の存在っていったいなによ?」って悩むことです。
これは、かの傑作SF映画「ブレードランナー」以来、本格SFの世界で何度となく取り上げられてきて、(そしていまだに結論の出ない)深遠なテーマです。
日本でも、手塚治虫の「鉄腕アトム」にはじまって、押井守監督の「攻殻機動隊」や「イノセンス」など、同様のテーマを追求したアニメーション作品の歴史があります。
もちろん、こんな難しい問題、カンタンに答えが出るものではないのです。
でも、このロボとーちゃんは、この問題に、いかにもクレヨンしんちゃんらしい一つの回答を与えて、しかもそれによって「泣ける」映画に仕立てているのです。
子どもたちが笑い転げるエンターテインメントにきっちりと仕上げつつ、同時にそのお父さん世代は泣かせ、なおかつ哲学的ともいえる深遠な問いかけを、子どもにもわかるレベルに落とし込んで表現するって。
本当にプロの作品だなって思います。
ちなみに、上の「NAVERまとめ」のロボとーちゃんの画像をもういちどご覧ください。ロボとーちゃんのシルエットが、微妙におかしいですよね。
あれは、野原ひろし(つまりしんのすけのお父さん)のシルエットなんです。
あの画像が、この作品のテーマを、じつに見事に象徴していると思います。
ってうーむ。ネタバレしないように書こうとすると、なんだかとても難しいですね・・・
ともあれ、これを映画館で見なかったとは、うっかりしすぎです。自分。